パキスタン対バングラデシュの因縁!歴史的分断と経済逆転劇の深層

パキスタン対バングラデシュの因縁!歴史的分断と経済逆転劇の深層

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独立当初、アメリカのヘンリー・キッシンジャー国務長官から「底の抜けた買い物かご(国際的最貧国)」と酷評されたバングラデシュですが、21世紀に入り劇的な躍進を遂げました。象徴的なのが、パキスタンとバングラデシュの経済格差の完全な逆転です。

近年のパキスタンとバングラデシュのGDP比較を見ると、その差は歴然としています。長年、名目GDP総額では人口で勝るパキスタンが優位を保っていましたが、国民の豊かさを示す「1人当たり名目GDP」において、バングラデシュは2010年代半ばからパキスタンを逆転。バングラデシュが2,500〜2,700ドル前後を維持する一方、パキスタンは通貨安やインフレの影響で1,500〜1,600ドル水準にとどまっています。

この経済逆転を導いた主因は、明快な産業政策と社会構造の変革にあります。

  • 衣料品(RMG)輸出の爆発的成長:バングラデシュは縫製・アパレル産業にリソースを集中させ、世界第2位のアパレル輸出国へ成長。外貨準備を安定させました。
  • 女性の労働参画と人間開発:グラミン銀行などに代表されるマイクロファイナンスの普及と縫製工場での雇用創出により、女性の就業率が急上昇。出生率の適正化と教育水準の向上が同時に進みました。
  • パキスタンの構造的停滞:対照的にパキスタンは、政情不安や軍事費の重圧、エネルギー危機が足枷となり、幾度となくIMF(国際通貨基金)の緊急融資に依存する負の連鎖から脱却できずにいます。
田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。