まつげ美容液の取材を進める中で、編集部が最も危機感を抱いたのが「フリマアプリや非正規通販サイトにおける偽造品の氾濫」です。特にラッシュアディクトやエマーキットなど、定価が6,000円〜10,000円を超える人気アイテムは、驚くほど精巧に作られた偽物が半額近い価格で出回っています。
メーカー側の調査報告によると、偽造品の中には中身が単なる着色水であったり、国内で使用が禁止されている有害な防腐剤やバクテリアが混入していた事例も確認されています。目元は粘膜に隣接する極めてデリケートな部位であり、不衛生な偽造品を使用すると角膜潰瘍や視覚障害といった取り返しのつかない健康被害を引き起こしかねません。「正規品保証」を謳っていても個人出品や非正規ルートの安売りには手を出さず、サロン直営店やメーカー認定の公式取扱店で購入することが必須の自己防衛策です。
もう一つの深刻な誤解が「使用量」に関する認識の歪みです。多くのユーザーが「スキンケアの美容液と同じ感覚で、たっぷり塗ったほうが早く効く」と錯覚しています。しかし、筆タイプの高濃度美容液は、「容器のフチでブラシをしっかりしごき、液だれしない状態にしてから上まぶたのキワに1回だけサッと引く」設計になっています。下まぶたに直接塗る必要すらありません。瞬きをすることで上まぶたの成分が適量だけ下まつ毛へ転写される計算で作られているからです。この知識の有無が、肌荒れを防ぎながら結果を出すための決定的な分水嶺となります。