お風呂の九九表を導入するにあたり、保護者が陥りがちな「誤解」についても整理しておく必要があります。
最大の誤解は、「ポスターを目に入るところに貼っておけば、子どもは自然に九九を覚える」という受動的学習への過信です。単に風景としてポスターが存在しているだけでは、子どもの脳は情報を処理しません。指で数字をなぞりながら声に出す、親がランダムに問いかけて子どもが答えるといった「能動的なアクション」が伴って初めて長期記憶に移行します。
また、「語呂合わせの丸暗記」だけで満足してしまう点にも注意が必要です。例えば「3×4=12(さんしじゅうに)」という音を覚えていても、「3個入りのりんごが4箱ある状態」というかけ算の概念(同数累加)を理解していなければ、文章題や小3以降の「わり算」で必ずつまずきます。時折、「これっておはじきで言うとどういうことかな?」と具体物と結びつける問いかけを混ぜることが、深い理解につながります。