時間帯によって画面から求められる空気感は一変する。朝の看板情報番組である『めざましテレビ』では、目覚めたばかりの視聴者に爽快感と前向きなエネルギーを与えるため、パステルピンクやレモンイエロー、ミントグリーンといった明るいトーンが主流となる。柔らかなシフォン素材や動きのあるプリーツスカートが、軽快な一日の始まりを視覚的に演出する。
対照的に、一日の締めくくりとなる夜の報道番組『news zero』などでは、落ち着きと説得力が最優先される。ネイビーやチャコールグレー、深みのあるボルドーやモノトーンを基調としたテーラードジャケット、構築的なスタンドカラーブラウスが定番だ。日本テレビ放送網のエースとして絶大な支持を集める水卜麻美アナウンサーのように、親しみやすさを持ち味とするキャスターであっても、番組の性質や扱うニュースの硬度に合わせて襟元のカッティングや素材感を繊細に使い分けている。衣装は単なる服ではなく、ニュースのトーンを決定づける無言のナレーションなのだ。