ここ数年で、日本の美容医療業界を取り巻く社会意識は急速に変化した。かつては二重整形や鼻の整顔が議論の中心であったが、現在ではよりプライベートな身体的悩みの解決へと関心がシフトしている。大手美容クリニックグループの湘南美容クリニックが公表した最新の統計でも、ボディパーツにおける低低侵襲な切除・形成術の相談件数は過去最高水準を更新し続けている。
この変化の背景には、地上波や配信プラットフォームで放映される医療ドキュメンタリー番組の存在が大きい。患者が長年抱えてきた心身の葛藤と、それを医療技術によって治癒していく過程が克明に描かれることで、美容外科的手段を選択することへの精神的ハードルが大幅に下がった。秘匿すべき恥かしい悩みから、個人のQOL(生活の質)を高めるための前向きな医療選択へと、社会全体のパラダイムシフトが起きている。