海苔やお菓子の袋に入っている生石灰乾燥剤の主成分は、酸化カルシウム(CaO)と呼ばれる白色の無機化合物です。石灰石を高温で焼成して作られるこの物質は、周囲の湿気(水分)を強力に吸着・結合する特性を持っています。しかし、その過程で大きな化学エネルギーを放出します。
具体的には、酸化カルシウムが水と接触すると激しい化学反応を起こし、水酸化カルシウム(Ca(OH)₂・別名:消石灰)へと変化します。この「酸化カルシウム・水酸化カルシウム反応」は極めて高い発熱反応であり、少量の水滴がかかるだけでも局所的に80℃〜100℃以上の高温に達します。
東京消防庁や国民生活センターの検証データによると、生ごみ受けの三角コーナーに捨てられた生石灰乾燥剤が、調理中の水しぶきを浴びて高温発熱し、周囲のプラスチック袋や可燃物に引火した火災事例が報告されています。また、密閉容器内で反応が進むと、発生した熱と水蒸気によって小袋がパンパンに膨らみ、最終的に破裂して強アルカリ性の粉末が飛び散る事故も起きています。