猫踏んじゃったピアノ演奏の極意と海外の真相|実は猫じゃない?

猫踏んじゃったピアノ演奏の極意と海外の真相|実は猫じゃない?

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私たちが幼少期から慣れ親しんでいる「猫踏んじゃった」というタイトルは、世界標準ではありません。世界各地の音楽文化を調査すると、同一の旋律でありながら、国や地域によって驚くほど多彩な名前で呼ばれていることが分かります。

発祥の地とされるヨーロッパ圏で最も広く知られているのが「蚤(ノミ)のワルツ」(ドイツ語:Flohwalzer)です。蚤がピョンピョンと跳ね回るコミカルな様子を、軽快なスタッカートの連打に見立てたネーミングとされています。興味深いことに、音楽理論上この曲は3拍子のワルツではなく「4分の2拍子(または4分の4拍子)」で構成されているにもかかわらず、なぜか「ワルツ」と冠されている点が世界的な共通項となっています。

国・地域現地での主な曲名モチーフ・意味編集部の分析・文化的背景日本猫踏んじゃった猫を踏んでしまうドタバタ劇阪田寛夫の作詞(1966年NHKみんなのうた等)によって国民的定着を遂げた独自路線。ドイツ・オーストリアFlohwalzer(フローヴァルツァー)蚤(ノミ)のワルツヨーロッパにおける原典的名称。跳躍する音型を虫の動きに見立てている。ロシア・ウクライナСобачий вальс(サバーチイ・ヴァリス)犬のワルツショパンの「小犬のワルツ」とは別物。ロシア圏では犬が元気に走る姿として定着。フランスValse des puces / Côtelettes蚤のワルツ / カツレツ(豚肉)包丁で肉をトントンと叩くリズムから「カツレツ」と呼ばれるユニークな食文化派生。スペイン・中南米La chocolatera / Los patitosチョコレート器 / 子アヒルたち生活用品や小動物に擬託。リズミカルな反復動作が家庭内の情景と結びついた形。ハンガリーSzamárindulóロバの行進曲ワルツではなく「行進曲」として捉えており、よりリズムの力強さに着目している。

日本で「猫踏んじゃった」として爆発的に普及した背景には、1966年にNHKの音楽番組『みんなのうた』で放送された詩人・阪田寛夫氏による日本語歌詞の影響が極めて大きいです。「ねこふんじゃった、ねこふんじゃった、ねこふんづけちゃったらひっかいた」というユーモラスでリズミカルな言葉遊びが子どもの心を掴み、昭和から平成、令和へと受け継がれる過程で、原曲の「蚤」というイメージは完全に上書きされました。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。