なぜ「人として」の歌詞は、耳にした瞬間に感情を激しく揺さぶり、自然と涙をあふれさせるのでしょうか。その答えは、歌詞が提示するメッセージが「完璧な人間になれ」という教訓ではなく、「弱さを抱えたまま、どう生きるか」という泥臭い宣誓である点にあります。
世の中に溢れる応援歌の多くは、「信じれば夢は叶う」「前を向いて歩こう」といったポジティブな言葉を並べがちです。しかし、SUPER BEAVERのボーカル・渋谷龍太が歌い上げる「人として」は、人が誰しも抱く狡さ、妬み、他人を疑ってしまう心の醜さを決して否定しません。
「自分もまた不完全で傷つきやすい存在である」という痛切な自覚を出発点にしているからこそ、聴き手は自分自身の弱さを肯定されたような救いを感じます。傷つくリスクを背負ってでも「それでもかっこよく生きたい」ともがく姿勢が、聴く人の琴線に触れ、深い涙へと変わるのです。