視聴率報道を見る際、多くの一般読者が陥りがちな誤解が存在します。情報の非対称性によって生まれる代表的な3つの誤解を是正します。
誤解①:「世帯視聴率が低い=誰も見ていない駄作」
実際には、若年層に圧倒的な支持を受けている話題作であっても、単身世帯や若年層の多くはビデオリサーチの測定機を設置した家庭環境(固定電話や据え置きテレビの所有率が高い世帯構成)に該当しにくいため、世帯視聴率には反映されにくい構造があります。
誤解②:「TVerの再生回数が多い=テレビ局は大儲け」
TVerでの広告単価(CPM)はテレビの地上波スポットCMと比較すると上昇途上にあります。配信再生数がどれだけ回っても、地上波CM枠の売れ行きやスポンサー契約が伴わなければ制作費の完全回収には至りません。「配信の数字」と「地上波の広告枠価値」の双方が噛み合って初めてビジネスモデルとして成立します。
誤解③:「視聴率が取れないから海外配信専用にシフトすれば解決する」
世界的な配信プラットフォームへのライセンス販売は魅力的な収益源ですが、日本国内の地上波で確固たるトレンドを作った作品でなければ、海外での買い付け価格も跳ね上がらないというシビアな現実があります。国内地上波という巨大なプロモーション装置の重要性は、形を変えながらも継続しています。