フリー素材サイトの台頭は、デザイン制作のハードルを劇的に下げた。しかし、その恩恵の陰で現場のデザイナーたちが直面しているのが「権利とクオリティの二重苦」である。「商用利用可能」と謳われた無料プラットフォームであっても、利用規約の細部に「商標登録の禁止」や「出力サイズの制限」、あるいは第三者の著作権侵害素材が混ざり込んでいるケースが後を絶たない。
現在、簡易デザインツールとして爆発的な普及を見せるCanvaなどのサービスでも、無料素材と有料プレミアム素材の権利関係を正確に把握して運用することが強く求められている。単に美しく見えるからという理由でダウンロードした画像が、企業の商用利用において致命的な損害賠償リスクへと発展する例も報告されている。プロの現場では、ライセンス規定の透明性と解像度を保持できるベクターグラフィックなどの形式の確保が、選定の最低条件となっているのだ。