一方で、現場のビジネスパーソンから圧倒的に多く寄せられるのが「社内にロールモデルがいない」という切実な悲鳴です。民間調査機関のアンケートデータでも、20代〜30代の会社員の約6割以上が「社内に目標としたい人物像が見当たらない」と回答しています。
特にこの課題が顕著に現れるのが、女性のキャリア形成における現場です。SNSや転職相談窓口のリアルな声を集約すると、次のような構造的ジレンマが浮き彫りになります。
「役員や部長に就いている女性は、独身で男性並みの長時間労働をこなしてきたスーパーウーマンばかり。家庭や子育てと両立しながら無理なくキャリアを重ねる先輩が社内に1人もいない」
「育休から復帰した先輩は全員が定時退社の一般職的ポジションに固定されており、昇進ややりがいのあるプロジェクトを任される未来が想像できない」
このように、「極端なワーカホリック型」か「昇進を諦めたサポート型」という二極化されたモデルしか社内に存在しない場合、若手層は将来の展望を描けず、モチベーションの低下や早期離職につながってしまいます。昭和・平成期に作られた「単一の成功テンプレート」が崩壊したことによる歪みが、現場の閉塞感を生み出しているのです。