新潟アルビレックスBBの凋落を語る上で、避けて通れないのが2018-19シーズンのB1中地区優勝の記憶です。当時、圧倒的な支配力を誇ったダバンテ・ガードナー(現・三河)やベテランPG五十嵐圭を擁し、アオーレ長岡を熱狂の渦に巻き込んだ栄光は、結果としてクラブの構造的課題を覆い隠す麻酔となってしまいました。
最大の転換点は、その翌シーズンに起きたガードナーの移籍と、それに伴うチームアイデンティティの喪失です。Bリーグ全体が急速に大型資本化し、大手IT企業や全国規模のメガスポンサーを背負ったクラブが選手総人件費を5億〜10億円超規模へと吊り上げるなか、新潟の売上規模は5億〜6億円前後で停滞。市場の資金力競争から完全に振り落とされた結果、日本人主力の引き抜きが常態化しました。
チーム編成の綻びは、戦術の迷走へと直結します。現場関係者は当時の苦悩をこう吐露しています。
「毎年のようにヘッドコーチが交代し、チームカルチャーの断絶が続いた。前年の戦術的積み上げがリセットされ、開幕直前の場当たり的な外国籍選手の補強で帳尻を合わせるサイクルから抜け出せなくなっていた」
勝ち星から見放されるなかで、2022-23シーズンは13勝47敗でB2降格。さらに翌2023-24シーズンにはB2東地区で最下位に沈み、プレーオフ争いどころか残留プレーオフでも敗退し、まさかのB3降格という底知れぬ屈辱を味わうことになりました。