病気や心理面だけでなく、骨格構造や加齢変化によって舌が収まりきらなくなるケースも多々存在します。
たとえばパグやフレンチブルドッグ、シー・ズーといったマズルの短い犬種は、生まれつき口腔内の容積に対して舌が比較的大きく、鼻腔や喉が狭い短頭種気道症候群を抱えやすい体質を持っています。空気の通り道を確保するために、日常的に舌を外に出して呼吸を助けている構造的な背景があります。
また、シニア期を迎えた犬では、重度の歯周病などによって前歯や犬歯が抜けて舌を支えられなくなる物理的な要因が増加します。さらに、老犬が舌をしまい忘れる背景には認知症(認知機能不全症候群)が関わっているケースもあり、脳の運動指令機能の低下によって口内に舌を戻す感覚が鈍くなっている可能性も考慮しなければなりません。