理想の水色アッシュを成立させるための最大の関門は、カラー前の土台作り、すなわちブリーチ回数です。髪の明度は「レベル(トーン)」という指標で表されますが、絵画で白いキャンバスに描かないとパステルカラーが濁るのと同様、水色の発色には限界まで黄色味を取り去った17〜18レベル(ペールイエロー〜白金に近い状態)が求められます。
水色アッシュブリーチ何回という疑問に対する結論として、バージン毛(一度も染めていない黒髪)から鮮やかなアイスブルーを目指す場合、最低でも2回、髪質が硬く赤みが強い人では3回のブリーチが一般的な施術基準です。髪の履歴に黒染めや縮毛矯正、暗めの白髪染めが含まれている場合は、残留色素のムラを修正するためにさらなるステップが必要となるケースも珍しくありません。
一方で、SNSで散見される「ブリーチなしで叶う水色アッシュ」というフレーズには注意が必要です。結論から言えば、日本人の黒髪をベースにした場合、ブリーチを使わずに淡い水色を表現することは現代の毛髪科学上不可能です。ブリーチなしで水色アッシュ系のカラー剤を塗布した場合に仕上がるのは、「強い光に透かしたときにほんのり赤みが消えて見える暗髪ブルーグレージュ」や「ダークネイビー系のアッシュ」であり、いわゆるパステル調の水色には到達しません。ダメージを避けたいあまり過度な期待を抱いてオーダーすると、サロン現場で深刻なイメージギャップを招く原因となります。