多重下請けの三次請けSESから、見事プライム案件専門のSIerへ転職し年収を420万円から780万円へとジャンプアップさせた30代前半の男性エンジニア(Aさん)の取材実録は、多くのエンジニアにとって示唆に富んでいます。
Aさんは20代後半、三次請け企業で客先常駐としてテストやバグ修正ばかりを繰り返す日々に限界を感じていました。そこから下請け脱出を決意したAさんが実践したのは、「担当業務の枠を意図的に超える社内実績づくり」でした。
「単に振られたコードを書くだけでなく、上位ベンダーの設計書にある矛盾点を自ら洗い出し、修正案を添えて提案するようにしました。そのうち上位ベンダーのマネージャーから信頼され、一次請けの会議にオブザーバーとして同席させてもらえるようになったのです。職務経歴書には『テスト担当』ではなく『基本設計への改善提案・仕様策定アシスト』と書ける実績を作ったことが、プライム企業への内定を勝ち取った決定打でした」(Aさん)
下請け構造から抜け出すキャリアパスは、偶然のスカウトを待つことではありません。現在の現場でいかに「上流工程の匂いがする実績」を意図的に掴み取るかが、脱出の成否を分ける分水嶺となります。