初めてフィリピン料理店に足を運ぶ際、メニュー選びで失敗しないためには、代表的な調理技法と味の構成を理解しておく必要があります。東南アジア=激辛というイメージを持たれがちですが、フィリピン料理の基調は「酢(酸味)」「醤油(旨味)」「ニンニク(コク)」、そしてココナッツミルクのまろやかさです。
訪れた店舗の実力を測る上で、絶対に押さえておくべき看板メニューは以下の4つです。
1. アドボ(Adobo):豚肉や鶏肉を酢、醤油、ニンニク、ブラックペッパー、ローレルでじっくり煮込んだ国民食。「アドボの美味しい店」は、肉のホロホロとした柔らかさだけでなく、酢の酸味をまろやかに飛ばして旨味を凝縮させる火入れの技術に長けています。
2. シニガン(Sinigang):タマリンド(サンパロック)の強い酸味が際立つスープ料理。具材には豚肉、エビ、大根、空芯菜などがふんだんに使われます。現地そのままのシニガンは一口目に鮮烈な酸味が走りますが、脂っこい肉料理と交互に食べることで口内をリフレッシュさせる計算された味わいです。
3. レチョン・カワリ(Lechon Kawali) / レチョン・バボイ:豚バラ肉を茹でてから皮目がクリスピーになるまで揚げた(または丸焼きにした)料理。評判の良い店では、外側の皮が「カリッ」と音を立て、内側の脂身がジューシーに溶け出します。レバーをベースにした特製ソース(トマス・マグアルなど)を絡めて食べるのが本流です。
4. ハロハロ(Halo-Halo):専門店やデザート自慢の店で外せないのが、かき氷にウベ(紅山芋)アイス、レチェ・フラン(固めの濃厚プリン)、ナタデココ、甘豆などを豪快にトッピングしたスイーツ。タガログ語で「混ぜこぜ」を意味する通り、全体をスプーンで徹底的にかき混ぜて食べるのが作法です。