オートマの坂道発進で下がる原因は?後退を防ぐ正しい手順とコツ

オートマの坂道発進で下がる原因は?後退を防ぐ正しい手順とコツ

オートマの坂道発進で下がる原因は?後退を防ぐ正しい手順とコツとは一体何なのか? 詳しい意味を丁寧に紐解いて紹介します。

「AT車はD(ドライブ)レンジに入っていれば下がらない」という認識は、初歩的でありながら極めて危険な誤解です。オートマ車が平坦路でブレーキを離すと自然に前進する「クリープ現象」は、エンジンのアイドリング回転がトランスミッション(トルクコンバーター等)を介してタイヤへ伝わることで発生します。

しかし、車両重量が1.2トン〜2.0トン前後におよぶ一般的な乗用車において、アイドリング時に発生する駆動力はごくわずかです。道路の傾斜が約5%(約2.8度)〜8%以上になると、重力によって車台を後方へ引き戻そうとする「勾配抵抗」がクリープ現象のトルクを上回ります。その結果、ブレーキを緩めた瞬間に車輪が逆回転を始め、車体が後退してしまいます。

さらに近年普及しているCVT(無段変速機)やDCT(デュアルクラッチトランスミッション)、ハイブリッド車のモーター駆動制御においては、エネルギー効率を高めるためにアイドリング時の擬似クリープ力をあえて弱めに調律している車種も存在します。「以前乗っていた車では下がらなかった坂道で、新しい車に乗り換えたら下がるようになった」と感じる背景には、こうしたトランスミッション制御の世代間差異も関係しています。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。