関西空港駅の2階コンコースに足を踏み入れると、広大な空間の向かって左側にJR西日本、右側に南海電気鉄道の乗り場と改札口が完全なシンメトリー(左右対称)で並んでいます。改札の場所自体は空港ターミナルビルの2階連絡デッキ直結と極めて分かりやすいものの、この「完全な横並び構造」こそが改札間違いを引き起こす最大の要因です。
鉄道各社の案内表示において、JR西日本はコーポレートカラーのブルー(青)、南海電気鉄道はオレンジ(またはレッド)で統一されています。しかし、フライト直後の疲労や重い荷物を抱えた乗客は、頭上の看板を文字情報ではなく「改札機そのものの並び」として漠然と視界に捉えてしまいがちです。現場の駅員によると、「南海の特急ラピートのチケットを持ったままJRの青い改札機にICカードをタッチしてエラーで引っかかるケースが1日に何十件も発生している」といいます。
さらに混乱を助長しているのが、近年のICカード改札利用およびクレジットカード等のタッチ決済の普及です。南海電鉄では早くから全改札でVisaやMastercard等のタッチ決済に対応していますが、JR西日本側も対応を進めた結果、「どちらの改札でも手持ちのカードが反応してしまう(または残高不足や規格違いでエラーが出る)」という新たな混乱が生じています。関西空港駅のJR・南海乗り場へ向かう際は、「左手の青がJR(京都・新大阪・梅田方面)」、「右手のオレンジが南海(なんば方面)」という色彩ルールを身体に染み込ませておくことが防衛の第1歩です。