新幹線の顔はなぜ長い?カモノハシ形に隠された驚きの科学と進化の真相

新幹線の顔はなぜ長い?カモノハシ形に隠された驚きの科学と進化の真相

新幹線の顔はなぜ長い?カモノハシ形に隠された驚きの科学と進化の真相についての疑問解決ガイドをご紹介します。

新幹線の顔が長く設計されている最大の理由は、「トンネル微気圧波(トンネル突入音)」の抑制にあります。列車が時速300km以上の猛スピードで断面積の狭いトンネルへ突入すると、先頭部がトンネル内の空気を一気に押し縮めます。この圧縮された空気の波(圧縮波)が音速でトンネル内を伝わり、反対側の出口から「ドカン」という巨大な破裂音となって外部へ放射されます。これがトンネル微気圧波と呼ばれる現象です。

沿線住民の生活環境を守るため、環境省が定める騒音基準値(住宅地で70デシベル以下、商工業地域で75デシベル以下)を厳格にクリアしなければなりません。トンネル突入時の圧力変化を緩やかにするには、空気の壁を切り裂くノーズ部分を長く滑らかにし、断面積の変化率を可能な限り小さく抑える必要があります。

さらに、先頭形状はすれ違い時の車体動揺の軽減や、列車最後尾となった際の空気抵抗・気流の乱れの抑制(尾部乱流対策)という双方向の空力性能も担っています。前進時だけでなく、反対方向へ走る際の「お尻」としての整流効果も同時に計算し尽くされた結果、あのカモノハシのような複雑な三次元曲面が導き出されました。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。