戦国三英傑の性格を対比させた有名な江戸時代の狂歌は、それぞれの意思決定のスタイルを鮮やかに象徴しています。
「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」(織田信長)
「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」(豊臣秀吉)
「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」(徳川家康)
この歌が示す通り、信長は「目的を果たすために機能しないものは即座に排除し、別の手段を講じる」という圧倒的な決断スピードと目的遂行力を持っていました。秀吉のように人心を巧みに操って相手を動かす交渉術や、家康のように潮目が変わるのをじっと耐え忍ぶ忍耐力とは異なり、状況を自ら能動的かつ力技で切り開くスタイルです。
信長が好んだとされる言葉「是非に及ばず(善悪や理由をあれこれ論じても仕方がない、成すべきことを成すのみ)」にも表れているように、現実の事象をありのままに受け止め、最短距離で解を導き出す思考の速さが三者の中で最も際立っていました。