若井滉斗を語る上で欠かせないのが、フロントマン大森元貴との関係性です。ビジネスライクなバンド仲間とは一線を画す、およそ15年以上にわたる堅固な友情の歴史が存在します。
2人の出会いは東京都八王子市の中学校でした。当時、大森元貴はすでに個人で楽曲制作を開始しており、学校生活に馴染めず不登校がちな日々を送っていました。一方の若井はサッカー部に所属する快活な少年。接点がなさそうに見えた2人でしたが、修学旅行の班が同じになったことをきっかけに意気投合します。大森の自宅に遊びに行った若井は、部屋で流れていた自作のデモ音源を聴き、その規格外の才能に強い衝撃を受けたと過去のインタビューで語っています。
そして迎えた中学の卒業式。若井は大森に対して「いつか一緒にバンドをやろう」と熱い約束を交わしました。高校進学後、若井は10年間続けたサッカーにピリオドを打ち、兄の影響で手にしたギターへ情熱のすべてを注ぎ込みます。1日何時間も指から血がにじむほど練習を重ねた若井は、2013年に大森から届いた「バンドを組もう」という1本の連絡に応え、Mrs. GREEN APPLEを結成しました。
ライブのMCや楽曲の節々で見せる2人の阿吽の呼吸は、単なるメンバー間プロフェッショナリズムではなく、思春期の孤独と衝動を分かち合ってきた幼馴染ならではの絶対的な信頼関係に根差しています。