NPB単独での大台到達が閉ざされつつある中、名球会入会条件投手の規定は2003年に改定され、日米通算記録が正式に認定されるようになりました。この道筋を切り拓き、大台到達の新たな形を証明したのが黒田博樹氏とダルビッシュ有投手です。
広島東洋カープでエースとして君臨した黒田博樹氏は、2008年にロサンゼルス・ドジャースへ移籍。過酷なMLBの中4日ローテーションの中で7年連続2桁勝利を記録し、2015年に広島へ復帰。2016年に日米通算203勝(NPB124勝、MLB79勝)を達成し、満員の地元ファンの前で歓喜の涙を流しました。黒田氏の手記や当時の会見では、「白星はチームメイトが守ってくれた結果であり、自分の力だけで手にしたものは一つもない」という言葉が繰り返されました。リリーフ投手の重要性を誰よりも知る先発投手ならではの実感です。
そして2026年5月、サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手が、野茂英雄氏(日米通算201勝)、黒田博樹氏に続く史上3人目の日米通算200勝(NPB93勝、MLB107勝)を達成しました。ダルビッシュ投手は達成後の共同記者会見で次のように心境を語っています。
「自分一人で勝てる試合なんて一つもありませんでした。日本時代から今まで、一緒に戦ってくれた捕手、野手、ブルペンの投手陣、そして裏方さんたち全員に感謝したい。数字そのものよりも、ここまで長くマウンドに立ち続けられたプロセスに意味を感じています」
ダルビッシュ投手の偉業は、30代後半を迎えても食事管理、バイオメカニクス、投球フォームの微修正を怠らず、進化を止めなかった「探求の賜物」でした。日米通算勝利数最新の歴史において、最高峰の舞台で積み上げられた200勝は、昭和のそれとは異なる重力と価値を持っています。