日本のアイドル史および防犯行政において、決して風化させてはならないのが2016年5月に発生した小金井ストーカー刺傷事件です。東京都小金井市のライブハウス出演を控えていたシンガーソングライター兼アイドル活動を行っていた女子大生(当時)が、ライブ会場直前で男に刃物で20箇 takže所以上を切りつけられ、一時心肺停止となる重篤な被害を受けました。
事件の背景には、Twitter(現X)や公式ブログへの執拗な書き込み、贈ったプレゼントを返送されたことによる逆恨みがありました。被害女性は事件前に警視庁へ何度も相談に赴いていましたが、当時のストーカー規制法では「SNSによるメッセージ送信」が規制対象外と解釈され、警察の初動が遅れました。この痛恨の失策は、国家公安委員会および警察庁の抜本的な対応マニュアル見直しへと繋がります。
その後、法改正が急速に進められました。2016年改正によってブログやSNSの執拗なリプライが処罰対象に加わり、2021年改正では所持品へのGPS機器無断取り付けや位置情報取得が厳格に禁止されました。さらに2024年から2026年にかけては、位置情報共有アプリの悪用や非公開アカウントを利用した巧妙な追跡行為に対しても警察の即時介入指針が強化されています。司法の場においても、瞳特定事件の被告に懲役2年6ヶ月の実刑判決、小金井事件の被告に懲役14年6ヶ月の判決が下されるなど、ストーカー事案に対する量刑は厳格化の一途をたどっています。