検索エンジンやSNSで「紅梅園」を調べると、「現在の状況」「閉店」「噂」といったサジェストが散見されます。こうした不穏な噂がなぜ生まれたのか、現地の歴史的経緯と実態を照らし合わせると、明確な2つの要因が浮かび上がってきます。
第一の要因は、2009年に吉野梅郷一帯を襲った「ウメ輪紋ウイルス(PPV)」の影響です。当時、感染拡大を防ぐため地域全体で数万本に及ぶ梅樹の伐採が行われ、観光地としての吉野梅郷が一時期壊滅的な打撃を受けました。このニュースの記憶が強く残っている層から「現地の老舗和菓子店も畳んでしまったのではないか」という憶測が生まれた経緯があります。しかし、行政と地域住民の粘り強い土壌管理と再植樹が進み、吉野梅郷は見事な復活を遂げており、紅梅園の現在の状況も伝統の製法を守りながら変わらず営業を継続しています。
第二の要因として、東海地方などに展開する同名の台湾料理・中華料理チェーン(紅梅園)に関する情報との検索混同が挙げられます。「ランチの大盛りがすごい」「倒産したのか」といった中華料理店側のトピックが、青梅の歴史ある和菓子処「紅梅園」の検索結果と交錯し、誤解を生む土壌となっていました。青梅の紅梅園は、今も変わらず気品ある佇まいで全国のファンを迎えています。