もともと『星のカービィ』は、HAL研究所でゲームクリエイターの桜井政博氏らによって生み出されたアクションゲームである。任天堂から発売された原作ゲームは、誰でも楽しめる操作性と奥深い世界観で一躍人気を博した。だが、これを紙面上の漫画として再構築する作業は、容易なことではなかった。
ひかわ博一氏の手によってアレンジされたカービィは、ゲームの愛らしさを保ちつつも、破天荒で予測不能なボケを連発する強烈なキャラクターへと変貌を遂げた。デデデ大王やポピー兄弟といった脇役たちとのやり取りも冴え渡り、単なるゲームのコミカライズにとどまらない「ひかわ節」を確立していったのだ。
開発側であるHAL研究所や任天堂も、その自由度の高いギャグ表現を広く受け入れた。ゲームのキャラクターに命を吹き込み、漫画業界においてゲーム原作のギャグ漫画というジャンルを完全に切り開いた偉業。それこそが、当時の子供たちを虜にした最大の要因であった。