アスピリンとバイアスピリンの最大の違いは、1錠あたりに含まれる「アセチルサリチル酸の用量」と「製剤のコーティング技術」にあります。アセチルサリチル酸という同一の化学構造を持ちながら、投与量を変えることで体内で阻害する酵素の標的が変化し、得られる薬効が劇的に切り替わります。
高用量(1回あたりおよそ330mg〜500mg)を服用した場合、炎症や発熱、痛みの元凶となるプロスタグランジンの産生を強力に抑制し、解熱鎮痛薬として機能します。一方で、1日あたり100mg程度に抑えた「低用量アスピリン療法」では、血小板の凝集を促進するトロンボキサンA2のみを選択的にブロックし、血管内で血液が固まるのを防ぐ抗血小板作用(血液サラサラ効果)を発揮します。
市販されている頭痛薬などのアスピリン製剤は痛みを素早く抑えるために胃で速やかに溶ける設計になっていますが、長期にわたって毎日服用するバイアスピリン100mgは、胃酸で溶けずに小腸で溶け出す腸溶錠として特殊加工されています。これにより、直接的な胃粘膜刺激による胃障害の発生頻度を大幅に低減させています。