自宅用とオフィス・店舗用で、消火器の寿命や法的位置づけがまったく異なる点も重大な盲点です。知らず知らずのうちに法令違反を犯しているケースが後を絶ちません。
事業所や特定防火対象物に義務付けられている業務用消火器の設計標準使用期限はおよそ10年です。一方、一般戸建やマンション専有部での火災初期消火を目的とした住宅用消火器の使用期限はおよそ5年に設定されています。住宅用消火器は軽量化や女性・高齢者での扱いやすさを重視し、薬剤の詰め替えができない使い切り設計になっているため、耐用年数が短く設定されているのです。
さらに見落とせないのが、2011年に改正された消防法令に伴う「旧規格消火器の失効」です。旧規格の消火器は2021年12月31日をもって消防法令上の猶予期間が完全に終了しました。事業所や賃貸アパートの共用部などに旧規格消火器を設置し続けている場合、2026年現在では完全な消防設備点検義務違反となり、消防署の立ち入り検査で是正勧告の対象となります。