緑の車体を揺らしながら民家の軒先や海岸線を駆け抜ける電車――江ノ島電鉄株式会社が運行する「江ノ電」は、単なる移動手段を超えた鎌倉のシンボルだ。車窓から突如としてひらける壮大な相模湾の景色は、乗客全員から歓声が上がるほどの美しさを誇る。
旅行需要の完全復活とともに、観光・旅行インバウンド産業の熱気はますます高まっている。特に江ノ電沿線の極楽寺駅や七里ヶ浜駅周辺は、ノスタルジックな日本の日常風景を撮影したいと願う旅行者で溢れかえっている。地元自治体や鉄道会社も、混雑対策やマナー啓発に知恵を絞り、観光客と地域住民が心地よく共存できる環境づくりを進めている。
駅周辺のローカルな商店街では、英語や中国語のメニューを掲げる店舗が増える一方、昔ながらの豆腐店やせんべい屋が温かい笑顔で客を迎える。異文化が交差する独自の活気が、沿線全体に心地よいリズムを生み出している。