日本の政治ジャーナリズムが抱える最大の懸案事項の一つが、放送法第4条の解釈と運用である。番組内で扱う政治的テーマについて、公平・中立をどう担保するかは、すべての放送局が直面する永遠の課題だ。客観性を追求するあまり、両論併記に終始して踏み込んだ分析ができなくなる「どっちもどっち論」に陥る危険性もあれば、取材陣の主張を押し出しすぎて自ら偏向報道の批判を浴びるリスクもある。
こうした報道の行き過ぎや偏りを監視・検証する第三者機関として「放送倫理・番組向上機構(BPO)」が存在する。BPOへの不服申し立てや審議要請は年々増加傾向にあり、視聴者の監視の目はかつてないほど鋭い。放送局側は「表現の自由」や「知る権利に応える報道」を盾に主張を展開するが、視聴者が求めるのは透明性の高い取材プロセスと、主観を排した誠実な事実の提示である。