インターネット上の園芸フォーラム等で頻繁に交わされる「ダントツ水溶剤には展着剤を混ぜるべきか?」という議論には、明確な論理的指針が存在します。ダントツ水溶剤にはすでに溶解性や浸透性を高める補助成分が含まれていますが、葉の表面ワックス層が極めて厚い作物(ネギ、キャベツ、ブロッコリーなど)や、濡れにくい果皮を持つ果樹へ散布する場合は、シリコーン系や機能性展着剤(「まくぴか」や「ニーズ」等)の加用が効果を劇的に底上げします。
しかし、ここで落とし穴があります。浸透力を過剰に高める展着剤を高温多湿の環境下で混用すると、植物のクチクラ層を過度に溶解させ、褐斑や葉先枯れなどの薬害を誘発するリスクが高まります。散布は日中の炎天下を避け、朝夕の涼しい時間帯に行うことが鉄則です。
さらに見過ごせないのが混用適合性の誤解です。強アルカリ性の農薬(ボルドー液や石灰硫黄合剤)と混用すると、有効成分クロチアニジンが加水分解を起こして薬効が著しく失活します。混用する際は必ず各都道府県の病害虫防除指針やメーカーの混用適否表を確認し、無秩序な「カクテル散布」を厳に慎まなければなりません。