日本国内に大使館が存在しない状況下で、日本政府はどのように北朝鮮との意思疎通を図っているのでしょうか。現在、公式・非公式を含めて最も機能しているのが、中国・北京にある日本大使館と北朝鮮大使館を通じた外交ルート(北京ルート)です。
日朝間で生じる緊急の抗議(ミサイル発射時など)や意思伝達は、基本的に北京の外交ルートを通じて行われています。さらに、最重要課題である拉致問題の解決に向けては、東南アジアやモンゴルなど第三国のホテルを舞台にした非公開の実務者協議や情報機関幹部による極秘接触が断続的に模索されてきました。
日本政府は一貫して「前提条件を付けずに首脳会談を行う用意がある」との立場を崩していません。しかし、北朝鮮側は「拉致問題はすでに解決済み」との強硬な主張を繰り返しており、核・ミサイル開発の放棄を求める国際世論との間で膠着状態が続いています。大使館の設置や国交正常化は、これらの根本的な懸案事項が一括して解決された先にしか存在し得ないというのが、日本外交の確固たる基本方針です。