この冷徹な言葉は、一体誰に向けて放たれたものなのでしょうか。ファンの間で長年激論が交わされてきたのが、「Love Yourself 誰に向けた曲なのか」というターゲットの特定です。最も広く囁かれたのが、かつて「ジェレーナ(Jelena)」の愛称で世界中から注目を浴び、くっついたり離れたりを繰り返していたセレーナ・ゴメスの存在でした。
しかし、「Love Yourself セレーナ・ゴメス破局の真相」を綿密に取材した当時のエンタメ報道や関係者の証言を突き合わせると、単純な特定個人へのあてつけではない複雑な背景が浮かび上がります。
歌詞中には、相手の人間性を厳しく断罪する具体的なフレーズが並びます。
- 「My mama don't like you and she likes everyone(母さんは誰のことも好きなのに、君のことは嫌いだった)」
- 「You think I'm crying on my own, well, I ain't(僕が一人で泣いてると思ってるだろうけど、泣いてなんかない)」
- 「You built me up that I was nothing on my own(君がいないと僕は無価値だと思い込ませようとした)」
ジャスティンの実母パティ・マレットはセレーナに対して公の場で好意的なコメントを残しており、「母が嫌っていた」という描写はセレーナの実情とは食い違う部分があります。音楽ジャーナリストの間では、名声絶頂期にあったジャスティンの周囲に群がり、彼のステータスや富を利用して自らのクラブの入場パスや知名度を得ようとしていた複数のハイファッションモデルやインフルエンサーたちの行動様式を凝縮したペルソナであるという見方が有力です。
さらに、原曲のベースを書いたエド・シーラン自身の過去の苦い恋愛経験も織り交ぜられているため、特定の一人を吊るし上げるのではなく、「搾取的なパートナー全般」に対する普遍的な絶縁状として機能している点が、この楽曲の持つリアリティを支えています。