近年、昭和のフデ五を凌ぐ勢いでプレミア化しているのが、平成22年(2010年)から平成25年(2013年)に製造された5円玉です。
この4年間に発行された5円玉の枚数は、各年わずか約45万枚から55万枚程度に過ぎません。なぜこれほど激減したのか。背景には、2000年代後半以降に進展した電子マネーの普及と、消費税の端数処理に伴う小額硬貨の流通過剰がありました。銀行や日銀の金庫に過剰な5円玉が滞留したため、造幣局は一般流通向けの製造を完全に停止したのです。
製造された約50万枚はすべて、収集家向けにプラスチックケース等へ密封された「ミントセット(貨幣セット)」として販売されたものです。つまり、本来は市場のレジ袋や自動販売機に流れるはずのない硬貨でした。
しかし、遺品整理などで家族が価値を知らずにミントセットを崩し、買い物に使ってしまうケースが後を絶ちません。万が一、平成22年・23年・24年・25年のいずれかの刻印が入った5円玉を普段の釣り銭で見つけた場合、その1枚だけで1,500円から4,000円前後の取引相場が成立します。