矢沢あいによる不朽の名作漫画『NANA』。物語の双璧をなす二人の「ナナ」のうち、パンクバンド「BLACK STONES」のボーカルである大崎ナナが身に纏っていたのが、イギリスのデザイナーが生み出した反骨のブランド「ヴィヴィアン・ウエストウッド」だった。重厚なレザーチョーカー、指を覆うシルバーのアーマーリング、そして胸元で怪しい光を放つオーブペンダント。それは単なる衣装ではない。社会に対する叛逆の意志であり、傷つきやすい内面を隠すための漆黒の鎧だった。
一方で、一見ごく普通の少女である小松奈々(ハチ)もまた、大崎ナナや周りのアーティストたちに憧れを抱きながら、その世界観に惹きつけられていく。異なる境遇に生きる二人の少女をつないだのは、孤独と愛への渇望、そして自分だけのアイデンティティを模索する切実な祈りだった。彼女たちが身につけるジュエリーの一つひとつに、当時の読者は自分の葛藤を重ね合わせたのだ。