では、国産豚肉とカナダ産豚肉は具体的にどこが異なるのでしょうか。食感や品種、流通形態の観点から両者を比較してみましょう。
日本のスーパーで流通しているカナダ産豚肉の多くは、「三元豚(さんげんとん)」と呼ばれる3つの品種(ランドレース種、大ヨークシャー種、デュロック種など)を掛け合わせたハイブリッド豚です。これは日本の銘柄豚でも主流の掛け合わせであり、繁殖力、肉のキメの細かさ、霜降りのバランスを追求した構造になっています。
国産豚肉との主な相違点は以下の通りです。
① 脂身の比率とヘルシーさ
国産豚肉(特に黒豚やブランド豚)は脂の甘みとジューシーさを重視してサシ(霜降り)が多く入る傾向があります。一方、カナダ産三元豚は赤身と脂身の境界がはっきりしており、全体的に赤身の割合が高くヘルシーです。日常の家庭料理で「脂っこいお肉が苦手」という層には、むしろカナダ産の方が好まれるケースも少なくありません。
② チルド輸送による「船上熟成」
輸入肉と聞くと「カチコチに凍った冷凍肉」を解凍していると思われがちですが、現在日本の店頭に並ぶカナダ産豚肉の主力は完全なチルド(冷蔵)肉です。カナダの加工場から最新の温度管理コンテナで日本の港まで運ばれる約14〜21日間の航海中に、肉の自己消化酵素が働いてアミノ酸(旨味成分)が増加し、肉質が柔らかくなる「ウェットエイジング(湿式熟成)」が自然に進みます。この熟成工程が、解凍ドリップのない柔らかな食感を生み出しています。