閉館から時間が経った現在でも、SNSや旅行コミュニティでは土肥ふじやホテルを懐かしむ投稿が数多く見られます。かつての宿泊者が残した口コミ評判やネットの反応を分析すると、この旅館がどれほど深く愛されていたかが浮き彫りになります。
特に評価が高かったのは、最上階に設置されていた露天風呂からのパノラマ絶景でした。「夕暮れ時に駿河湾へと沈みゆく夕日を湯船から眺めた時間は生涯忘れられない」「潮風を感じながら浸かる弱アルカリ性単純温泉の肌触りが極上だった」という回顧録が目立ちます。さらに、伊豆ならではの金目鯛の姿煮や伊勢海老、アワビの踊り焼きといった豪華な海鮮会席、仲居さんたちの気さくで温かい接客も高い支持を集めていました。
一方で、閉館前の数年間に投稿されたレビューには「昭和の風情が残っているが、館内のカーペットの染みや壁紙の剥がれが目立つ」「エレベーターの待ち時間が長い」「空調の温度調整が部屋ごとにできない」といった、設備の経年劣化に関する指摘が増加していました。現場のスタッフが懸命な接客努力を重ねていたものの、ハード面の陳腐化が宿泊客の満足度維持の障壁となっていた現場の苦悩が読み取れます。