実際の治療現場や、体験談・手記に寄せられる患者の声からは、医学書に書かれていない日常のリアルな実態が浮かび上がります。
「点滴が始まって数時間後、口の中全体にスプーンを舐めているような金属の味が広がり、夜になると眠気があるのに脳が覚醒してまったく眠れなかった」(突発性難聴でパルスを受けた40代会社員の手記)
「点滴を受けている最中は異常に元気で、入院中なのに仕事をバリバリこなせるような高揚感があった。しかし退院してステロイドが減量された途端、鉛のように体が重くなり、激しい疲労感に襲われた」(IgA腎症治療を受けた30代女性の体験談)
医療現場の看護師や臨床医は、この「精神的な浮き沈み」と「退院後の倦怠感」を事前に患者に伝えることが最大のケアになると指摘します。事前に副作用のメカニズムを理解していれば、「自分が弱くなったから」ではなく「薬の作用による生理現象」として受け止め、パニックを防ぐことができるからです。