長年MCを務めた番組からの退場。その引き金となったのは、単一の理由ではない。27年という歳月の中で、神田は1400回を超える生放送を走り抜けてきた。関係者の証言を辿ると、見えてくるのは美学を貫いた一人の男の美意識だ。体調不安が取り沙汰された時期もあったが、本人は一貫して「自分の足で立ち、納得のいく形でバトンを渡したい」という意思を周囲に示していた。
旅の楽しさを届ける番組だからこそ、自身が万全のエネルギーで臨むことに強いこだわりを持っていた。過密なスケジュールと年齢的な節目が重なる中、自ら引き時を見極める決断を下したのだ。惜しまれつつ去る――それこそが、昭和・平成・令和を駆け抜けたエンターテイナーの美学だった。