館内の展示構成は、北斎の90年に及ぶ波乱万丈の生涯を網羅する常設展示室(4階)と、テーマごとに貴重な肉筆画や浮世絵版画を掘り下げる企画展示室(3階・4階)に分かれています。
常設展で来館者の目を奪うのが、晩年の北斎と娘の阿栄(葛飾応為)が暮らした長屋の様子を等身大で再現したジオラマ模型です。散乱した反故紙や絵具皿のなかで筆を走らせる北斎親子のリアルな人形は、制作現場の凄まじい熱量を雄弁に伝えます。さらに、世界的な名作『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』や『凱風快晴』などの代表作は、最新のデジタル技術と高精細ファクシミリによって細部まで鮮明に鑑賞可能です。
浮世絵版画は極めて繊細で光による劣化を受けやすいため、貴重な原画や肉筆画は企画展の会期に合わせて期間限定・展示替えを伴って公開される運用となっています。2026年最新の企画展ラインナップでも、北斎の構図力や弟子たちへの影響、海外ジャポニスムとの関連性に焦点を当てた多角的なテーマ展示が展開されており、常設タッチパネル端末による高精細画像解説と組み合わせることで、専門知識がなくても深い読解が可能です。