万が一、作業中に分離してモロモロになってしまっても、絶対に捨ててはいけません。製菓の現場では、分離の原因に応じた的確なアプローチにより、100%元のなめらかな状態へ復元させる技術が確立されています。
バタークリーム分離した時の復活法には、以下の2大アプローチがあります。
アプローチA:冷え固まりによる分離(ツブツブ・ザラザラ状態)の復活
冬場の作業や、冷たいベース液を投入したことでバターが細かく固まってしまった場合は、「熱」を与えて油脂を緩めます。
① ボウルの底に、約40〜50℃の湯煎を一瞬(2〜3秒間)だけ当てます。
② ボウルの縁のバターがごくわずかに溶け始めたらすぐに湯煎から外します。
③ ハンドミキサーを最高速で回し、ボウル全体の熱を均一に行き渡らせるように激しく撹拌します。一度で戻らなければ、湯煎に1秒当てる作業を慎重に繰り返し、乳化点(なめらかなマヨネーズ状)を探り当てます。ドライヤーの温風をボウルの側面に数秒当てる方法も微調整が効くため非常に有効です。
アプローチB:温度上昇による液状化分離(ベチャベチャ状態)の復活
室温が高すぎたり、シロップの熱でバターが緩みすぎてシャバシャバになってしまった場合は、「冷却」によって結晶構造を再構築します。
① ボウルの底を氷水に3〜5秒だけ当て、すぐに外します。
② ボウルの底面や側面の冷えた部分をゴムベラでこそぎ落としながら、ハンドミキサーで一気に攪拌します。
③ 冷やしすぎるとアプローチAの「冷え分離」に移行してしまうため、10秒単位で様子を見ながら、クリームの輪郭がしっかりしてホイップ状になるまで空気を抱き込ませます。