「早く剥いて清潔に保たなければいけない」という誤った思い込みから、入浴時などに親が無理やり包皮を引っ張る行為は極めて危険です。小児医療の現場で無理に剥いてはいけない理由として挙げられるのは、取り返しのつかない身体的ダメージです。
包皮の内側と亀頭はデリケートな粘膜で癒着しています。これを力任せに剥がすと、皮膚に微小な断裂が生じます。傷口が治癒する過程で皮膚が硬く縮む「瘢痕化(はんこんか)」が起きると、元々の包皮口がさらに狭くなり、かえって剥けにくくなってしまう悪循環に陥ります。
さらに深刻なのが嵌頓包茎リスクです。無理に剥き切った狭い包皮が亀頭の根元を締め付け、自力で元に戻せなくなる緊急事態を指します。締め付けられた亀頭は鬱血(うっけつ)して激痛を伴い、最悪の場合は血流不全から壊死の危険すら生じます。万が一元に戻らなくなった場合は、夜間であっても直ちに救急外来を受診しなければなりません。