近年、日本各地で乱立する地域アートフェスティバルに対して、ある種の疲弊感を口にするアーティストは少なくない。過剰な観光客対応、スポンサーへの配慮、SNS映えを意識した分かりやすいモニュメント——。そうした潮流に対し、中之条は頑ななまでに純粋な表現の場であり続けている。
運営を支えるのは、行政主導のトップダウンではなく、作家自身と地元ボランティアの自発的な対話だ。作家たちは数ヶ月前から町に滞在し、空き家を掃除し、住民と茶を飲み、草を刈る。そうした泥臭いプロセスを経て生まれる作品には、スタジオで頭の中だけで組み立てられたものにはない、圧倒的なリアリティと切実さが宿る。