骨延長を語る上で欠かせないのが、術式の違いです。古典的かつ確実な方法として知られる「イリザロフ法」は、脚の外側に金属製の巨大なリング型創外固定器を取り付け、皮膚を貫通させたワイヤーで骨を固定しながら伸ばす方式です。感染リスクが高く、皮膚が引き裂かれるような「夜も眠れないほどの激痛」が延長期間中ずっと続くため、患者の精神的負担は計り知れません。
一方で、現在の自費診療で主流となっているのが「プレシシス法(PRECICE)」をはじめとする髄内釘方式です。骨の内部に特殊なチタン製マグネットネイルを埋め込み、外部から専用の磁気装置を当てることで内部のネジをミリ単位で回転させて骨を伸ばします。皮膚の外に露出する器具が小さいため感染症のリスクが格段に低く、術後の痛みが大幅に軽減される画期的な手法として低身長に悩む層から高い評判を集めてきました。
ただし、プレシシス法であっても骨や筋肉が引き伸ばされる際の鈍痛や神経痛が完全にゼロになるわけではありません。術後数週間から数カ月間は医療用麻薬や強力な鎮痛剤を投与し続けなければ耐えられない夜が続くのが実態です。