衣更真緒を語る上で欠かせないのが、Knightsに所属する朔間凛月(さくま りつ)との幼馴染関係です。家が隣同士で、昼夜逆転生活を送る凛月を起こし、時には背負って登校し、弁当の世話まで焼く真緒の姿は、ファンの間で「阿吽の呼吸」「熟年夫婦のような間柄」として親しまれてきました。
しかし、ストーリーを時系列で追っていくと、この2人の関係性は単なる「世話焼きと甘えん坊」という微笑ましい構図にとどまりません。過去において、凛月は周囲と馴染めず孤独を深める中で、真緒という唯一の理解者に強く依存していました。一方の真緒もまた、「自分が面倒を見なければ凛月が壊れてしまう」という過度な責任感を抱き、互いが互いを縛り合う危うい共依存の兆候を孕んでいた時期が存在します。
この関係が健全な進化を遂げた契機が、高校進学と異なるユニットへの所属でした。真緒はTrickstarで氷鷹北斗、明星スバル、遊木真という掛け替えのない戦友を得て、凛月もまたKnightsという居場所を見つけ、自立したプロフェッショナルとしての誇りを獲得します。互いに「自分だけの世界」を持ったことで、幼馴染としての情愛はそのままに、自立した個と個として支え合う健全な心理的バウンダリー(境界線)が再構築されました。