止まった絵が動く謎!目の錯覚アートに脳が騙される衝撃の真相と仕組み

止まった絵が動く謎!目の錯覚アートに脳が騙される衝撃の真相と仕組み

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視覚の欺瞞を用いた表現は、ルネサンス期のトロンプ・ルイユ(だまし絵)に端を発し、20世紀に入ると数学や心理学と結びついて独自の芸術運動へと昇華しました。

その決定打となったのが、1960年代に興ったオプティカル・アート(通称:オプ・アート)です。幾何学的抽象と錯視的効果を極限まで追求したヴィクトル・ヴァザルリやブリジット・ライリーらの作品は、1965年にニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された伝説的展覧会『The Responsive Eye(応答する眼)』で世界的な社会現象となりました。会場では作品を見つめた来館者が激しい目まいや視覚疲労を訴える事態が相次ぎ、絵画が鑑賞者の身体に直接的な生理的インパクトを与える事実を証明してみせました。

一方、建築的な矛盾や数学的パラドックスを描き切った巨匠が、オランダの版画家M.C.エッシャー(マウリッツ・コルネリス・エッシャー)です。『上昇と下降』に描かれた永遠に昇り続けるペンローズの階段や、『相対性』における重力方向の多重化は、二次元のパースペクティブ規則を逆手に取った知的な迷宮であり、今なおクリエイターたちに絶大な影響を与え続けています。

そして21世紀の現代、この錯視表現を世界最高峰の認知科学アートへと押し上げたのが、立命館大学の北岡明佳教授です。同教授が2003年に発表した『蛇の回転』は、静止画でありながら渦巻く蛇が激しく回転して見える世界的傑作であり、英ロックバンド・アークティック・モンキーズのアルバムジャケットに採用されるなど、ポップカルチャーの領域まで席巻しました。さらに近年では、明治大学の杉原厚吉特任教授が提唱する「計算錯覚学」に基づく立体錯視――鏡に映すと丸が四角に変形する立体オブジェなど――が、二次元から三次元へと錯覚の地平を拡張し続けています。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。