官邸の記者会見室において、演壇に立つ首相の右脇で静かにタイムキーパーを務める姿が印象的な内閣広報官。しかし、その職務は単なる「司会進行役」にとどまりません。国家行政組織法および内閣法に基づく内閣広報官の仕事内容は、内閣の重要政策に関する国内外への広報活動全般を企画・立案・調整することにあります。
とりわけ注目を集めるのが、重大な政策発表や国会閉会時に開かれる内閣総理大臣記者会見の進行です。限られた時間の中でどの社を指名し、どのタイミングで質疑を打ち切るかという現場判断は、すべて広報官の采配に委ねられています。政権に批判的な追及を続ける記者と、予定された時間通りに会見を終えたい官邸側との間で生じる神経戦を最前線で捌く防波堤とも言える存在です。
法的身分としては、一般のキャリア官僚とは一線を画す特別職国家公務員の内閣広報官として位置づけられています。内閣総理大臣の補佐役として政務を担当する特別職であり、その処遇は各省庁の事務次官や防衛事務次官と肩を並べる指定職の最高峰です。気になる内閣広報官の年収や給与は、「特別職の職員の給与に関する法律」によって厳密に規定されています。
基本給にあたる本俸月額に地域手当、さらに年2回の期末手当(ボーナス)などを合算すると、年間の支給総額はおよそ2,300万円から2,500万円前後に上ります。国家公務員トップクラスの厚遇が用意されている背景には、政権の存亡を左右する機密情報を扱い、24時間体制で緊急事態の初動広報に備える極度の重責が存在します。