二人の関係が語られる際、避けて通れないのが1990年代後半に芸能界を大きく揺るがした「略奪愛」の報道です。当時、布袋寅泰はロックシンガーの山下久美子と婚姻関係にありました。山下と今井美樹はもともと親しい友人関係にあり、プライベートで相談し合う仲だったことから、交際発覚時はワイドショーや週刊誌による苛烈なバッシングが巻き起こりました。
布袋と山下久美子は1985年に結婚し、音楽的にも「学園祭の歌姫」と「カリスマギタリスト」の黄金コンビとして知られていましたが、1990年代半ばには夫婦生活にすれ違いが生じていたとされます。山下久美子が2002年に出版した自伝的手記『ある愛の詩』の中では、当時の苦悩や今井との会話、布袋との別れに至る生々しい心情が綴られており、読者に大きな衝撃を与えました。
一方で、布袋自身も自叙伝『秘密』において、自身の至らなさや当時の感情の揺れ動きについて率直に言及しています。世間からは「友人からの略奪」というセンセーショナルな構図で批判を浴びましたが、当事者たちの間には長年にわたる価値観のズレや表現者特有の孤独が複雑に絡み合っていたことが、後の手記や関係者の証言から浮き彫りになっています。布袋と山下は1997年に正式に離婚が成立し、その約2年後となる1999年6月に今井と布袋は入籍を発表しました。