ポチタが数多の強大な悪魔たちから異常なまでに恐れられ、同時に崇拝されている理由は、戦闘能力の高さだけにとどまりません。ポチタの真の姿は、4本の腕と漆黒の装甲をまとい、首に巻き付いた小腸のマフラーが特徴的な巨躯の怪物です。この姿で振るうチェンソーの斬撃は、他の悪魔を瞬時に肉片へと解体します。
さらに決定的なのが、「食べた悪魔の名前と概念をこの世から完全に消し去る」という現実改変クラスの特異体質です。通常の悪魔は現世で死ねば地獄で転生し、地獄で死ねば再び現世に転生するという輪廻を繰り返します。しかし、チェンソーの悪魔に捕食された悪魔は、過去・現在・未来のすべての記憶と記録から消滅し、存在そのものが最初から無かったことになります。
作中でマキマが語った通り、ポチタは過去に「ナチス」「第二次世界大戦」「エイズ」「核兵器」「人間の寿命を迎えた後に訪れる死以外の4つの結末」などを喰らって世界から消し去っています。これにより、作中の人類史は現実の地球とは大きく異なる道を辿ることになりました。地獄で「助けて」と叫ぶ悪魔の声を聞けば駆けつけ、敵を八つ裂きにし、同時に助けを求めた悪魔をも切り刻む――その予測不能で容赦のない荒唐無稽さから、悪魔たちは彼を畏怖を込めて「地獄のヒーロー」と呼んだのです。