不妊治療の選択肢として認知度が高まった体外受精(IVF)や、将来の妊娠に備える卵子凍結。これらは急速な進歩を遂げ、現代の産婦人科・生殖医療業界における重要な選択肢となっている。しかし、生殖補助医療さえ受ければ何歳でも妊娠・出産ができるという解釈は大きな誤解だ。
実際の生殖医療データによれば、体外受精(IVF)を行っても35歳を超えると1回の胚移植あたりの出産率は段階的に低下し、40代前後では10〜15%程度まで落ち込む。また、若いうちに卵子を採卵・保存する卵子凍結においても、凍結時の年齢や融解後の受精率・着床率を考慮すると、将来的な無事な出産を100%保証する保険にはなり得ない。高度な医療技術は不妊に悩むカップルの力強い味方であるが、加齢による影響を完全に打ち消す魔法の技術ではないことを理解しておく必要がある。