新品の瞬間が完成形ではない。使い込むほどに味わいとツヤが増し、世界にひとつだけの表情へ育っていく。これこそが本革ソファ最大の醍醐味と言える。日光や室内の照明、日々の摩擦や人の手から移る僅かな油分すらも、レザーにとっては美しいプロセスの構成要素だ。
日頃のお手入れは決して難しくない。日常的には柔らかい乾いた布で表面のホコリをサッと払う程度で十分だ。数ヶ月に一度、専用のレザークリームを薄く塗り伸ばしてオイル分を補給すれば、乾きを防ぎしなやかさが保たれる。生活の中でつく小さな引っかき傷や色ムラも、年月の経過とともに馴染み、愛着あふれるヴィンテージの風格へと昇華する。